任せたいのに、最後は自分でやってしまう——責任感のある上司のジレンマ
締切、品質、顧客対応。その全部を背負う立場にいると、つい介入しすぎる。育成が難しくなる瞬間を、自分の失敗から考えました。
秋山ゆかり
2026.04.08
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きれいごとでは済まない、マネジメントの現場
部下の主体性を大事にしたい。
できれば、自分で考え、自分で組み立て、自分で責任を持って前に進める人に育ってほしい。
上司として、そう願わない人はいないと思います。私もずっとそう思ってきました。
でも、現実のマネジメントは、そんなにきれいではありません。
締切が迫っている。
顧客には待ってもらえない。
チーム全体の品質も守らなければいけない。
そして、部下はまだ何も出してこない。
こういう場面で、上司はきれいごとだけでは動けません。
「待つことが大事です」「本人に考えさせましょう」と言うのは簡単です。
でも、現場にいると、待つことはそのまま炎上リスクでもある。
だから多くの上司は、口では任せながら、裏で自分でも用意しています。
最悪の事態になっても回るように、密かに代案をつくり、論点を整理し、骨子を持っている。
私自身、何度もそうしてきました。
これは、冷たいからではありません。むしろ逆です。
仕事を落としたくない。顧客に迷惑をかけたくない。チームの信頼を守りたい。そう思うからこそ、上司は先回りする。
ただ、その先回りが続くと、部下の主体性を削っていく。ここが、マネジメントのいちばん難しいところだと思います。