"健康前提社会"を生き抜く──体調に波がある私が、キャリアを築けた理由

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こんにちは、秋山ゆかりです。
読者のいずみさんから「体調が悪い時、どうやって時間設計していますか?」というご質問をいただきました。とても本質的な問いだなと感じました。
実は私自身、健康に恵まれていない人生を送ってきました。いまこうして働いている姿からは想像しづらいかもしれませんが、子どもの頃から病気がちで、21歳のときには生死をさまようほどの大病も経験しました。ベストセラーになった『ミリオネーゼの仕事術【入門】』に、病気で入退院を繰り返す生活がスタートし、自由に歩けなくなり、大半の時間をベッドで過ごすようになったときの不安や恐怖。ベッドの上でも経済的自立を果たそうと強く思ったことなどを書きましたが、体調が悪いのは、もう私のデフォルト。出産後はさらに子どもからもらう感染症で、毎年肺炎。42度の熱でも「根性」でクリニックに歩いて行った結果、即救急車がよばれてそこから総合病院へ救急搬送されるということも......もはや黒歴史です(笑)。
でも、そんな私でも、キャリアを積んできました。
健康であることが前提の社会で、生きづらかった
いまの社会は、「元気であること」が暗黙の前提になっています。朝から晩まで働ける、多少の無理はきく、メンタルも安定している──そんな状態を"普通"とされると、毎日が体調との戦いの私には、生きるのも、働くのも、なかなかハードです。
「今日はこれができるかもしれない」「いや、やっぱり無理だった」が日常茶飯事で、予定を守れない自分にがっかりしたり、周囲に迷惑をかけたと感じて、何度も自己嫌悪に陥りました。
でもあるとき、はたと気づいたんです。
「そもそも私は、体力勝負の人生を選ばなくていい」