狭い家にも、美学はある——『「ふつうの暮らし」を美学する』を読んで

忙しさに追われる毎日の中にも、私たちらしい工夫や感性は息づいている。日常を見る目が少し変わる一冊です。
秋山ゆかり 2026.09.07
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今住んでいる家は、正直に言うと、かなり狭いです。

戸建てなのに、こんなに狭い家をつくるのは日本くらいではないかしら、と思うほど狭い。もちろん、理由があってここに住み続けています。子育てと仕事を両立するうえで便利であること。移動がしやすいこと。ムスメの生活動線を考えたときに、今の環境が合っていること。

戦略コンサルタントとしての私は、こういう判断をするとき、どうしても「合理性」で見ます。

通勤時間はどうか。
学校や習い事へのアクセスはどうか。
家事動線はどうか。
仕事と子育てのジャグリングに耐えられるか。

つまり、家を「機能」として見ているのです。

でも、青田麻未さんの『「ふつうの暮らし」を美学する』を読んでいて、ふと立ち止まりました。

あれ。
私は、この家を「美学」の目で見たことがあっただろうか。

狭い。収納が足りない。動線がいまひとつ。もっと広ければいいのに。

そんなふうに、欠けているところばかりを見ていたのではないか。

この本を読みながら、わが家の狭さが、少し違って見えてきたのです。

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続きは、4347文字あります。
  • 日常美学という、ちょっと不思議な入口
  • 「なんとかやっていく」ことの楽しさ
  • 料理は芸術なのか、日常なのか
  • ルーティーンは、壊れる。そして、また生まれる
  • 「ふつうの暮らし」を見直す目を持つ
  • 今日のTake Away

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