「私の芸風って何?」——書く技術の本を読んだら、ますますわからなくなった

わからないことに出会うと、調べ、試し、構造化する。振り返ってみると、仕事でも家庭でも、私はずっと同じことを繰り返していました。
秋山ゆかり 2026.08.17
読者限定

戦略コンサル、グローバル企業での事業開発、エグゼクティブの実務に加え、アーティスト・研究者・母の視点から発信しています。無料記事はサポートメンバーの支えで成り立っています。共感いただけた方は、ぜひご参加ください。  

私の芸風って、何???

レジーさんの『ビジネスパーソンのために「芸風」で書く技術』を読みながら、私は手が止まりました。

本書には、こんな考え方が出てきます。

芸風=〈問題意識+着眼点〉×文体

なるほど。

自分が何を問題だと思うのか。どこに目をつけるのか。そして、それをどんな文体で書くのか。その組み合わせが、その人らしい「芸風」になる。

面白い。

そこで当然、自分にも当てはめてみたくなりました。

そして、困りました。

私の芸風って、何???

考えてみたのですが、出てきません。

ビジネスのことを書く。子育てのことも書く。心理学や教育の本も読む。アートや音楽の話もする。

ファクトを調べるのは好きです。でも、自分の感情もかなり書く。たまに皮肉も入ります。

では、私の「問題意識」は?

働き方?
教育?
女性のキャリア?
日本社会?
子育て?

どれも大事です。

でも、「これが私の芸風です」と言われると、どれもしっくりこない。

むしろ、本を読む前より、ますますわからなくなりました。

そんなことを考えていて、昔、ある人から言われた言葉を思い出しました。

「秋山さんって、誰にもわからないことを、わかるようにプロセス化して、他の人が学べるようにするのがうまいですよね」

たしかに、そういうことはよくやります。

でも、それって芸なの?

単に仕事で身につけた技術なんじゃないの?

そう思ったところで、一つの古い記憶がよみがえりました。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4137文字あります。
  • 半年以上かけた買収案件が、役員会で吹っ飛んだ
  • 「根回し」と「思いやり」がどうしてもつながらない
  • わかったら終わればいいのに、私はプロセスにした
  • 自己満足から始まって、過剰サービスで終わる
  • 芸風は「ついやってしまうこと」に隠れている
  • ……いま、まさにやっている

すでに登録された方はこちら

読者限定
インドの服を着ていたら、神話を18冊読むことになった
サポートメンバー限定
2027年の手帳選び——私を動かし、壊さないための外部OS
サポートメンバー限定
クワガタのお別れが続いた夏——新しい命が来ても、悲しいものは悲しい
読者限定
380ページを一気読みした理由——ダライ・ラマ自伝『声なきものの声』が...
サポートメンバー限定
寝ないリーダーは、誰が支えるのか
読者限定
ジップロック母、手芸文化に敗北する——『手芸とエンパワメント』を読んで...
サポートメンバー限定
再建のルール1-4 選択肢を残すために、自分を使い切らない
読者限定
無敵艦隊は、なぜ沈まなかったのか——ワールドカップに見る「勝てる守り」...