「毛深いから遊ばない」と言われた娘——その言葉が子どもの心に残す“傷”とは
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その一言が、人生を縛る
「あなたはブスだから、キレイにしてないといけない」
母の言葉は、今でも私の耳に焼きついています。
小さい頃から、母はいつもそう言っていました。中学生の時、8週間のサマーキャンプから10キロ以上太って帰国した私を、空港で出迎えた母の第一声は「お帰り」ではなく、「醜い!そんなに太って!もう今日からごはんは食べさせません」でした。そして、本当に実家にいる間は食事をほとんどさせてもらえなかったのです。
思春期は太りやすい時期。けれども、ちょっとでも太ると「醜い!」と言ってダイエットを強行させる母。彼女の気に入らないものを着ていると、その場で服をはぎ取って着替えさせるということも何度もありました。
このような育てられ方をしてきたので、母のいないところでは好き勝手やって、実家に戻るときだけ母の望み通りの服装をする。体重だけはそう自由には変えられないので、ずっと痩せたままでした。どのくらい痩せていたかというと、20代まで体重33キロ。身長は155センチあるのに、です。
そして、私が、ムスメを持ったとき、「絶対に、同じ思いはさせない」と誓いました。装いも、体型も、本人の自由にさせたい。
そう願ってきたからこそ、この本『子どものおしゃれにどう向き合う? 装いの心理学』には、心を揺さぶられるような出会い方をしたのです。
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