5歳の交渉力が家庭を変えた──“おだちん制度”で見えてきた価値観の設計図
親子で交わした対話と、小さな合意形成の積み重ね。その先に見えたのは「意思決定の見える化」でした。

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おだちんがほしいの」──5歳が投げかけた経済の問い
「ママ、おだちんがほしいの」
5歳のムスメがある日、ぽつんと口にしました。
その瞬間、私は思いました。
──これはいい機会かもしれない。
お金の話は、家庭で最も"見えにくい領域"のひとつです。
誰がどれだけもらえるのか。
何をしたら報酬になるのか。
金額はどうやって決まっていて、どんなルールがあるのか。
実は、親である私自身も、はっきり答えられないことばかりでした。
多くの家庭では、「お小遣い」や「手伝い報酬」は親の裁量でなんとなく決まります。でもそれは、子どもにとって「ブラックボックス」に見える構造です。
だからこそ私は、ムスメと一緒に決めることにしました。
報酬をもらうためのおやくそく、お金の使い方のルール、どんな仕事に、どれくらいの価値を認めるか。
たくさん話し合い、ひとつずつ"決めていく"作業は、いつのまにか「家庭という小さな経営」に変わっていきました。
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