ムスメ、春闘する——9歳が教えてくれた「交渉する家庭」のはじまり
第3章「価値と未来の設計編」スタート!家庭に「戦略的意思決定」をどう実装するか。最初の題材は、9歳ムスメの春闘とお駄賃交渉です。
秋山ゆかり
2025.09.26
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9歳ムスメ、突如の春闘宣言
「ママ、私、春闘してるの」
夕飯の支度をしていた私の背中に、突然そんな言葉が飛んできました。 振り返ると、9歳のムスメが腕を組み、まるで労働組合の委員長のような顔で立っています。
「……春闘? なにそれ?」
「えー知らないの? 賃上げ要求に決まってるじゃん。今年はどこも満額回答なんだよ」
……小学生の口から「満額回答」。 あまりのギャップに思わず笑いそうになりましたが、彼女の目は本気です。
「私のお駄賃、5歳のときからずっと1回10円なの。もう9歳なのに! 生産性は上がってるし、物価も上がってる。それなのに同じ額って、それは搾取だよ!」
あまりにも堂々とした主張に、私は思わず心の中で拍手しました。 論点の立て方がまるでビジネス交渉。しかも「搾取」というワードまで飛び出すとは。
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- 交渉の失敗は、「準備不足」
- 家庭は、“金融教育×意思決定”の実験場
- 家庭に「意思決定の戦略」をインストールする
- 家庭に実装した3つのシステム
- 家庭内交渉テンプレート(こども用)
- ムスメが学んだ5つのこと
- 春闘から見えた「交渉する家庭」の5つの効果
- 家庭内MBAとしての価値
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