離婚届からの逆転劇、「ありがとう」を実装した日から家庭が変わった

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言葉は家庭のインフラか?
「愛してるよ」「大好きだよ」「ありがとう」
我が家で日常的に飛び交うこの言葉たちは、実は"家庭の心理的セーフティネット"なのだと気づいたのは、つい最近のことでした。
2025年2月。私は夫に離婚届を突きつけました。家庭というジョイントベンチャーにおける、出資比率と実務負担のあまりの偏りに、ついに限界が来たのです。
そんなある日、ムスメとのLINEで「愛してるよ、大好きだよ」といつものように送ると、ムスメからこんな返信が返ってきました。
「なんでパパにはもう"愛してるよ"って言わないの? ありがとうもママ、最近パパに言ってないよね」
私は正直に答えました。
「ありがとうって言われるようなこと、してもらってないから」
するとムスメは言ったのです。
「でも、まずはママが小さなことでも見つけて"ありがとう"って言わなきゃ。相手に伝わらないと思うよ」
ハッとしました。
私は戦略コンサルタントとして、企業の組織変革を数多く手がけてきました。その経験から言えるのは、組織の信頼関係は「フィードバックループの設計」によって大きく左右されるということです。
企業では、1on1ミーティングや称賛システム、チームビルディングといった仕組みを通じて、メンバー間のコミュニケーションを意図的に設計します。しかし、家庭では?
「愛情があるから、言わなくてもわかるはず」
そんな思い込みで、実は最も重要なコミュニケーション基盤を放置していたのです。
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- ありがとうの再設計—感情と戦略の狭間で
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- データ駆動型感謝の実装—感謝ログは家庭のSlackである
- 感謝の技術的負債と継続可能性
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