「パパはブラック企業で働いてる」——その一言で始まった、家族の再設計
ムスメの一言が突きつけたのは、“働き方”ではなく“生き方”の問いだった。私たちは、家庭というチームを再設計し、「笑って眠れる国」をつくることにした。
秋山ゆかり
2025.10.17
読者限定
戦略コンサル、グローバル企業での事業開発、エグゼクティブの実務に加え、アーティスト・研究者・母の視点から発信しています。無料記事はサポートメンバーの支えで成り立っています。共感いただけた方は、ぜひご参加ください。
「パパはブラック企業で働いてるんだよね?」
夕食の食卓で、ムスメがごはんを口に運びながら、まるで天気の話をするみたいに言いました。
思わず、箸を止めました。
「え? どうしてそう思うの?」
ムスメは、当然のように答えます。
「だってパパ、いつも夜遅いし、朝もすごく早いし。テレワークのときももうお夕飯の時間なのに、上司に"今すぐ"って言われてるの聞こえたよ。おかしくない? おかしくない???」
その「おかしくない?」の連呼が、まっすぐ胸に刺さりました。私が社会に出たころも、確かにおかしかった。でも、誰も「おかしい」と口にできなかった。それを、娘はちゃんと見て、言語化している。
この記事は無料で続きを読めます
続きは、6024文字あります。
- 氷河期という時代の「生存戦略」——同じ世代、異なる選択
- プロポーズの言葉に隠された「経営理念」
- 家族という「リスク分散ポートフォリオ」の実践
- 「家庭という小さな国家」を再設計する
- 家族国家の組織設計——三権分立ならぬ三省体制
- 「家庭憲法」第一条を決めよう——家族の旗を立てる
- 家庭の「税制」と「予算編成」——時間とお金の配分ルール
- 理念がぶれた日——パパの残業問題で起きた「憲法危機」
- 政策の実行——「笑って眠れる国」を実現する具体策
- 子どもと一緒に作る意味——当事者意識が生まれる
すでに登録された方はこちら