ジップロック母、手芸文化に敗北する——『手芸とエンパワメント』を読んで

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ムスメが1歳のころ、保育園で「お着換え袋事件」が起きました。
私は、自分ではかなり合理的な母だと思っています(笑)。
家庭科の授業は友達にアウトソースして乗り切ったくらい、手芸も裁縫も、なんなら料理も得意ではありません。そんな私にとって、保育園の持ち物管理で大事なのは、清潔で、わかりやすく、取り違えが起きないことでした。
保育園からお着換え袋について細かい指定がなかったことをいいことに、私はジップロックにムスメの名前を書き、そこに着替えを入れていました。
しかも、毎週金曜日にはちゃんと消毒していたのです。
なんてえらい私!
そう本気で思っていました。
ところが、ムスメはそうは思っていなかったようです。
保育園に入って2か月ほどたったある日、お迎えに行くと、ムスメがなかなか帰ろうとしません。そして、お着換え袋入れのダンボールを指さして、
「これ、これ」
と言うのです。
なんだろうと思って見ると、そこには薄い緑色に総刺繍された、いかにも手作りの美しいお着換え袋がありました。
ムスメはそれを指さし、それから自分のジップロックを手に取って、
「これ、ちがーう、ちがーう」
と、6回も言うのです。
「何? お手製のお着換え袋がほしいの? 無理だよ、ママは手芸苦手だもん」
そう言った瞬間、ムスメは号泣しました。
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