ムスメが震えた日──教育現場の事件と『一緒に考える力』

教育現場の不祥事報道に、ムスメが震えた——。親として、社会人として、子どもとどう向き合い、信頼をどう築き直せるのかを考えました。
秋山ゆかり 2025.08.06
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ムスメの静かな訴え「また、あんなこと起きてるの?」

3歳児クラスのときに経験した保育園での不適切保育。先生が気に入らないことがあるとトイレに電気を消されて閉じ込められたり、食事を全員取り上げられたり。理由もわからないまま叱られ、心に深い傷を負ったあの日。あれから6年、専門家のサポートを入れながら、少しずつ回復しつつあるムスメが、ある日、私にこう言いました。

「また、あんな先生が出てきたの? なんで誰も止めないの?」

私の中でも、傷が再びじわりと疼く瞬間でした。

6月末に起きた広島市の小学校で女子児童を監禁し、わいせつな行為をしようとしたとして教諭が逮捕されたニュースに続き、7月1日には、埼玉県所沢市の小学校で発生した教諭による盗撮事件。ムスメは夕方のニュースでこの報道を目にし、「えぇ、なにこれ?」と正直な反応を示しました。さらに驚いたのは、彼女が自分で調べてきた情報でした。

「教員や塾講師の10人に1人は小児性愛者の可能性がある」

どこで調べてきたのか、そんな統計を持ち出して、「自分の身近にもいるのではないか」と不安を訴えたのです。3歳で受けた心の傷が、10歳になった今も彼女の中で生きていることを改めて痛感しました。

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