ワンオペ限界突破!家族を共創チームに変える挑戦

家庭の"ワンオペ経営"に限界を感じた私は、戦略コンサルタントとしての知見を総動員し、家族というチームを立て直す“ターンアラウンド計画”に踏み出しました。
秋山ゆかり 2025.05.02
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“この関係、もう続ける意味ある?”に答えを出せていますか?

「なぜ離婚しないのか?」

そんな問いに、私はこう答えます。

「一人でやる方が楽な時もあるかもしれません。でも私は、家族というチームで乗り越える姿を、子どもに見せたいんです。大人が努力して協力し合う姿こそ、将来の人間関係のモデルになると思うから。」

経済的にも精神的にも、私は一人でやっていける準備が整っています。それでも、両親が関わる形を模索したい。それは我慢でもなく、仕方なくでもありません。子どもにとって最善の環境を作りたいと心から思っているからこその選択なのです。

私がしているのは、ただ耐えることではありません。どうすれば子どもにとって最良かを、日々試行錯誤しています。だからこそ、家族という関係性を「解散」ではなく、「再設計」して続けていく。それが私にとっての「家庭」です。

とはいえ、現実は理想通りにはいきません。

私は、結婚と同時に、出資比率50:50の「家庭」という名のジョイントベンチャー(JV)を夫と共に立ち上げました。約10年前、娘が生まれたとき、私たちは対等に責任を分かち合うはずでした。しかし気づけば、経営も開発も現場オペレーションも、すべて私一人で担っていたのです。

👉 あなたが今、「続けたい」と思う理由は、誰のためのものですか?

あなたの家庭、出資比率どうなってますか?

Googleで授乳に関する講演をしたとき、「家庭はジョイントベンチャーである」と語ったら、男性たちの反応が非常に良かったことを思い出します。ビジネスの文脈で話すと、彼らの目が輝くのです。

会社でのJVなら、契約、出資比率、役割分担、期待される成果、撤退条件までもが明確でなければなりません。しかし、家庭になるとそれが曖昧になりがちです。

「君は家事、僕は仕事」という古い分業モデルはもはや機能しません。共働きが当たり前の時代、家庭という企業体には役割の再設計と業務分担の明確化が求められています。それにも関わらず、家庭の仕事は見えない形で女性に集中しがちです。

私たちの家庭は、実家の支援ゼロ、金銭的支援もゼロ、外部ヘルプも限られる完全独立系のベンチャー家庭でした。親会社(=実家)からの出資もなく、スタートアップ支援も受けられない中で、まさに資本と人手のない起業状態だったのです。

👉 役割の偏りに「そういうもの」と納得していませんか?

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続きは、5267文字あります。
  • “誰にも教わってないのに、うまく育てろ”って無理じゃない?
  • 家庭って、実はあなたがプロジェクトマネジャーだったんじゃない?
  • 何を望んでるか、ちゃんと伝わってる?”って言える?
  • 感情も含めて、全部あなた一人で回してない?
  • あなたの家、いつ“組織改編”しましたか?
  • 親って、どんなスキルが求められる仕事か知ってる?
  • “家族愛”だけでは超えられない壁、見えていますか?
  • あなたの家庭経営、アップデートしませんか?

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