家庭に心理的安全性は?“怒ってるの?”から始まった安心設計

「パパ、怒ってる?」——娘の一言が、家庭に足りなかった“安心の設計”を考えるきっかけになりました。
秋山ゆかり 2025.06.13
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「パパ、怒ってるかもしれない」

朝食の途中、娘がぽつりと言ったひと言に、私は一瞬、手を止めました。

夫は特に声を荒げたわけでも、言葉遣いを荒くしたわけでもありません。いつもと同じ調子で「おはよう」と挨拶し、同じようにキッチンでコーヒーを飲んでいるだけ。でも、娘には何か"ピリついた空気"が伝わったのかもしれません。

「何か言ったかな?」「怒らせたかな?」と探るような娘の目を見て、私は思いました。

——これこそが、"推測"ではなく"確認"を教える絶好の機会だ。

「怒ってるように見えるなら、相手に『怒ってる?』って聞いてみてもいいんだよ」

私は娘にそう言って、実際に夫に向かって聞いてみました。

「怒ってる?」

すると夫から「怒ってない」という答えが返ってきました。

「怒ってないのに怒ってる?って聞いてごめんね」

私がそう返すと、夫も「いや、そう見えてたのか。昨日仕事で遅くなっちゃったから、ぼーっとしてたかも」と説明してくれました。

娘は目を丸くして聞いていました。「えー、怒ってなかったんだ!」

——ああ、"安心"って、推測ではなく対話で作られるんだ。

このやり取りから私が気づいたのは、親しい関係でしかできないけれども、「聞いてみないとわからない」ということを学ぶいいケースになるということでした。

怒ってないのに怒ってるように見える。これは完全にその場の空気の問題。なぜそう思ったのか、その前後を話し合うことで、いろいろと理解できるようになってくるのです。

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続きは、4210文字あります。
  • 安心は”確認”から生まれる:家族コミュニケーションの土台
  • 「今日の空気、何点?」——我が家の安心設計アップデート
  • 家庭のバグを見つける「空気の品質管理」
  • バグレポートから始まった家庭のCI/CD
  • PMスキルで空気を育てる家庭マネジメント
  • 安心設計がもたらした予想外の副産物
  • 「家庭のSRE」として生きる
  • 今日から始められる「安心の第一歩」

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