未来を変える「判断力」はどう鍛えられるのか—TOBケースが教えてくれたXデーの思考法

突然訪れるXデーに、私たちはどう備えられるのか。TOBケースで見えたのは、企業も人も「判断力の質」で未来が変わるという事実でした。今日の100号では、その思考法を解きほぐします。
秋山ゆかり 2025.11.19
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祝100号! 今年の2月からTheLetterで「秋山ゆかりの頭の中」を始めてから、本日で記念すべき100号目をリリースすることになりました。 いつも読んでくださる皆さま、そして特別なサポートをしてくださっている有料読者の皆さま、本当にありがとうございます。

日々の「知的ジャグリング」の舞台裏を共有し、少しでも皆さまの思考のヒントになればと書き続けてきましたが、ここまで続けてこられたのは、間違いなく皆さまからの温かいフィードバックと、知的な関心のおかげです。引き続き、良質な問いと気づきをお届けできるよう、がんばって書いていきたいと思います。

さて、記念すべき100号目のテーマは、少し視座を高く、しかし極めて実践的なお話をしたいと思います。 テーマは、Xデーへの備え方」

皆さんは、自分が勤めている会社、あるいは自分が経営に関わる組織に、ある日突然「買収提案」が届いたら、その瞬間にどう振る舞うか、シミュレーションできていますか?

私は、GE時代の先輩に「日本取締役協会のウィンターセミナーには絶対に出なさい」と強くアドバイスをされ、日本取締役協会を紹介されて会員となりました。以来、毎年このウィンターセミナーには万難を排して出席しています。今年も先週の金曜に開催され、出席してきました。

このセミナー、何がすごいかというと、ものすごく作りこまれたケーススタディをベースに、現役の上場企業の取締役たちが、本気で喧々諤々と議論をするのです。

「もし自分がこの会社の社外取締役だったら、このTOBに賛成するか、反対するか?」——正解のない問いに対し、大の大人たちが知力を尽くして戦う場は、まさに知の総合格闘技です。

また、BDTI(公益社団法人会社役員育成機構)でも、社外取締役向けのケーススタディのセッションがあり、こちらも定期的に参加をしています。ちなみにBDTIには、女性向けになんと奨学金制度もあり、私も利用させていただきました。スポンサーがお金を払って勉強させてくれる素晴らしい仕組みです。

自腹を切ってでも参加する価値があるセッションはそう多くないのですが、この2つは、「絶対参加して~~」と、私もいろいろな人におススメしまくっています。

今日は、この「ケーススタディ」という思考訓練がなぜ重要なのか。そして、私が日々どのようにニュースを読み解き、来るべき「Xデー」に備えているのか。その思考のプロセスを、100号記念のスペシャルコンテンツとして、有料会員の皆さまに余すところなくお届けします。いつもより長文なので、お時間のあるときに、どうぞ!

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