向上心という「もうひとつの自己肯定感」──子育てと仕事に効く本当の自信の育て方
「自分はダメだと思うことがある」——そう感じたことはありませんか?本当に必要なのは、「自分をほめること」ではなく、「自分を育てる視点」だったのかもしれません。
秋山ゆかり
2025.09.08
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日本の若者の7割が抱える「自分はダメ」という感覚
高校生の7割が「自分はダメな人間だと思うことがある」——この衝撃的な数字を突きつけられたとき、私は思わずムスメの顔を思い浮かべました。榎本博明著『自己肯定感は高くないとダメなのか』を手に取ったのは、まさにムスメの自己肯定感の低さを心配していたからです。
国際比較によると、日本の若者の自己肯定感は極端に低いことが明らかになっています。「自分に満足している」と答える日本の高校生は45.8%。これに対して、アメリカは86.0%、中国は68.5%、韓国でさえ71.5%という数字が出ています。この差は一体どこから来るのでしょうか。
私自身、アメリカで育ちながらも「自己肯定感が低い」と常に指摘されてきました。しかし振り返ってみると、それが原因で深刻な問題に直面したことは実はありませんでした。むしろ、その「満足しない気質」が、常に成長を求める原動力になっていたようにも思えます。
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- 「ほめる教育」の落とし穴
- ムスメのクラスで起きている現実
- 向上心こそが自己肯定感の源泉
- 自己肯定感と自己高揚感の違い
- 本当の自己肯定感とは「適応力」である
- 文化的背景を理解する重要性
- 自己肯定感を育てる11のヒント
- スキルとして捉えることの意義
- 親としての新たな視点
- 教育現場への示唆
- まとめ:自己肯定感を再定義する
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