「悪性腫瘍 (がん)の可能性が高い」と言われた日——命と向き合って見えた本当の選択肢
恐怖と混乱の中、私は「正しい選択」が何かを見失っていました。有名病院でも納得できなかった私が、命と未来を託せる治療に出会うまでの1か月半を綴ります。
秋山ゆかり
2025.09.10
サポートメンバー限定
戦略コンサル、グローバル企業での事業開発、エグゼクティブ養成の実務に加え、アーティスト・研究者・母の視点から発信しています。 無料記事はサポートメンバーの支えで成り立っています。共感いただけた方は、ぜひご参加ください。
もし、あなたやあなたの大切な人が「悪性腫瘍の可能性が高い」と告げられたら
「悪性腫瘍(がん)の可能性が極めて高いです。」
この一言で、世界が止まったような感覚に陥りました。
私自身、つい最近この言葉を聞いて、パソコンの検索画面の前で固まった経験があります。まだ確定診断前の段階でしたが、その衝撃は計り知れないものでした。
有名病院のランキング、最新治療の記事、奇跡の完治体験談——ネット上にあふれる情報の海で、何を信じればいいのか分からなくなる。
そんな時、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)の同期である鈴木英介さんの新刊『後悔しないがんの病院と名医の探し方』に出会いました。
鈴木さんは、がん情報サイト「イシュラン」の編集長として長年、患者と医療をつなぐ活動をしてきました。その彼が提唱するのは、驚くほどシンプルな3つの原則です。
知名度よりも専門性
権威よりも相性
高額医療よりも標準治療
これらの言葉は、私が実際に直面した治療方針決定の混乱の中で、まさに救いとなりました。
今回は、本書の内容と私自身の体験を交えながら、「納得できる治療」との出会い方について考えてみたいと思います。