「察してくれない」から抜け出す!家庭に効く“期待値マネジメント”3原則

なぜ家族にイライラするのか? その正体は「勝手な期待」かもしれません。家庭が変わる実践的3ステップ、教えます。
秋山ゆかり 2025.08.08
読者限定

戦略コンサル、グローバル企業での事業開発、エグゼクティブの実務に加え、アーティスト・研究者・母の視点から発信しています。無料記事はサポートメンバーの支えで成り立っています。共感いただけた方は、ぜひご参加ください。

感謝の副作用——期待値インフレの罠

前回お話しした「ありがとう実装プロジェクト」から3ヶ月。

家庭内のコミュニケーションは劇的に改善しました。夫は積極的に家事育児に参加し、ムスメも自然に感謝を表現するようになった。離婚届を突きつけた2月から考えると、まさに奇跡的な変化でした。

しかし、新たな問題が浮上したのです。

それは「期待値インフレ」でした。

「これだけ『ありがとう』って言ってるんだから、もっと察してくれるはず」
 「あんなに感謝を伝えているのに、なぜまだ指示待ちなのか」

無意識のうちに、私の中で夫への期待値が上がっていたのです。

そして期待が裏切られるたび、以前よりも大きな失望を感じるようになりました。

これは、組織心理学でいう「期待値の逆説(Expectation Paradox)」です。改善が進むほど、さらなる改善への期待が高まり、結果として満足度が下がってしまう現象。

企業の組織変革でも頻繁に起こる問題でした。

そこで私は、戦略コンサルタントとして培った「期待マネジメント」の手法を、家庭に応用することにしたのです。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、4348文字あります。
  • ビジネスの期待マネジメントを家庭に応用する
  • 期待マネジメントの先にあったもの——家庭に心理的安全性が生まれた日
  • 今日から始められる期待マネジメント

すでに登録された方はこちら

サポートメンバー限定
「やること」より「あり方」を整える——年末に効く、ひとり壁打ちのススメ...
読者限定
「読んで!」が止まらない──読書好きな子どもを自然に育てる家庭のしくみ...
サポートメンバー限定
有終の美で終われなかったとき、私たちはどうすればいいのか
読者限定
「その日、その季節に読む贅沢」——『12月の本』がくれた静けさと思索の...
読者限定
いま、私を救ってくれているのは、夫が1時間かけて作る肉野菜炒めです
サポートメンバー限定
サンタはいつまで? ——卒サンタで見えた、子どもの成長と親の役割転換
読者限定
「この1冊」が、未来を考えるきっかけになる──本好きが贈るアドベントカ...
サポートメンバー限定
なぜムスメは学校に戻らないと決めたのか——子どもの尊厳を支える親の役割...