子育てという"究極の人材開発ベンチャー"に、組織設計図はあるか?
あなたの家庭には、その挑戦を支える「組織設計図」がありますか?

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先週の初回記事「ワンオペ限界突破!家族を共創チームに変える挑戦」には、予想を超える反響をいただきました。「業務設計の言葉で家庭について語る」という切り口が、読者のみなさんの心に響いたようです。
「我が家はSPCのつもりが定期借款で意義ありなうです」(Kさん)
「元親会社を合併して子育てリソース増やしました」(Iさん)
「この書き方だと男性の方が理解しやすいかも」(Hさん)
コメントを通じて強く感じたのは、「家庭という組織をどう再設計するか」は多くの人にとって未着手の課題だということ。
今回は、さらに踏み込んで「子育て=究極の人材開発ベンチャー」という視点から考えてみます。
👇この記事では、こんな流れでお届けします:
• 子育てを「仕様不明・KPI不在のベンチャー」と捉える発想
• 家庭を企業に見立てた“組織図”と“部門棚卸し”の試み
• 慢性疾患やアレルギー対応から見る“医療マネジメント”のリアル
子育ては、超ハイリスクな人材開発ベンチャーだった
👉 親業は仕様不明・KPI不在の“アジャイル育成プロジェクト”
先日、ムスメの通級指導の件で夫と衝突したとき、私は思わずこう叫んでいました。
「親って職業は、プロジェクトマネージャーなんだよ!」
「ステークホルダーの調整や、子どもの幸せな自立という目標を目指すけれど、そこに詳細な仕様書はないからアジャイル開発で進めなければいけない!」
この言葉、今思えば的を射ていました。
私はイリノイ大学時代に世界初のウェブブラウザであるNCSA Mosaicの開発に携わり、リリース時の初期メンバーとして活動後、会社員をしながらいくつかのインターネット・ベンチャーの立ち上げを経験しています。また、コンサルタントとして、企業の事業開発屋としても、多くの事業の立ち上げや企業の再建に関わってきました。しかし、自分の家庭こそが最も難易度の高い「スタートアップ」だったと今は思います。
考えてみてください。
事業でやりたいことは決まっているものの、詳細は何も詰まっていない状態でスタート。
我が家のミッション: 「次世代の自立した人間を育成し、社会に送り出す」
立派なミッションです。
でも、具体的にどうやって?
プロダクト(子ども)の仕様は完全にブラックボックス。納品時にスペックシートはなく、機能の詳細は使ってみないとわからない。バグ(夜泣き、イヤイヤ期)は頻発し、アップデート(成長)のタイミングも予測不能。
しかも、このベンチャーには一般的な企業とはまったく異なる特徴があります:
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- 我が家のミッションと成功定義、出してみたら……
- 家庭を「人材開発企業」として分析してみた
- 食物アレルギー対応は「危機管理プロジェクト」だった
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